モスコソ(英語表記)Moscoso, Mireya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モスコソ」の意味・わかりやすい解説

モスコソ
Moscoso, Mireya

[生]1946.7.1. ペダシ
パナマの政治家。大統領(在任 1999~2004)。フルネーム Mireya Elisa Moscoso de Gruber。農村の貧困家庭に生まれ,高校卒業後は秘書として働いた。1960年代初め,元大統領アルヌルフォ・アリアス・マドリードに出会い,選挙運動に協力。1968年10月1日,アリアスは大統領再選を果たした。そのわずか 9日後,オマル・トリホス・エレーラ将軍のクーデターでアリアスが失脚すると,モスコソはともにアメリカ合衆国に亡命,1969年にアリアスと結婚した。1988年にアリアスが死亡したのち帰国し,1990年代初めに政府内で小さな職をいくつか担当した。1990年,アルヌルフィスタ党創設に協力し,翌 1991年同党党首に就任。1999年に 2度目の大統領選挙に立候補した。対立候補は,トリホスの息子にして与党民主革命党のマルティン・トリホスだった。両者はともに貧困削減,教育向上,雇用創出を公約に掲げたが,モスコソは加えて政府による民営化政策の減速を訴えた。1999年5月,トリホスを破って当選を果たし,パナマ初の女性大統領となった。1999年12月,パナマ運河がアメリカからパナマに返還された。モスコソは前政権が任命した主要役職担当者をことごとく更迭または辞任させたが,パナマ運河庁は自律性を維持し,運河の円滑な管理運行という使命を果たした。在任中は,政府要職への人材登用に際してたびたび縁故主義との批判を受けた。憲法で再選が禁じられているため,2004年に退任

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