モット(Lucretia Coffin Mott)(読み)もっと(英語表記)Lucretia Coffin Mott

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

モット(Lucretia Coffin Mott)
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Lucretia Coffin Mott
(1793―1880)

アメリカの社会運動家、奴隷制廃止運動家、クェーカー牧師。マサチューセッツ州ナンタケット生まれ。夫ジェームズ(1788―1868)とともに奴隷制廃止運動に参加、1833年のアメリカ奴隷制反対協会設立に尽力した。1840年、ロンドンの世界奴隷制反対会議にアメリカ代表として出かけたが、女性であることを理由に出席を拒否され、女性の権利のために闘うことの必要性を痛感した。このとき、同じ志を抱くエリザベススタントンに出会い、1848年、彼女とともに、ニューヨーク州セネカ・フォールズでアメリカ最初の女性の権利のための大会を開催した。また1850年代には、逃亡奴隷避難所として自宅を開放するなど、奴隷制廃止運動においても活躍した。生涯一貫して、黒人と女性の権利のために働き続け、アメリカでもっとも影響力のある社会運動家の一人に数えられた。

[有賀夏紀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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