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モリス もりすDesmond Morris

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

モリス(Desmond Morris)
もりす
Desmond Morris
(1928― )

イギリスの動物行動学者。ウィルトシャーに生まれる。オックスフォード大学で高名なオランダの動物学者ティンバーゲンに学び博士号を取得。1956年ロンドン動物園のテレビ映像部門の責任者となり、1959~1967年は同動物園の哺乳(ほにゅう)動物科長を務めた。その間に、多くの映画・テレビ番組や著作を発表したが、なかでも『裸のサル』(1967)は大きな話題となり、世界中で翻訳されて800万部も売れた。
 その後『人間動物園』(1969)、『ふれあい』(1971)と人間行動に関する著作が続き、とくに人間の身体言語を研究した『マンウォッチング』(1977)は、その後のウォッチング・シリーズの基盤となった。1973年には母校の特別研究員に迎えられ、フットボール・クラブの理事にもなって『サッカー人間学』(1981)を書き、さらに年齢別の人間行動の実態を具体的に論述した『年齢の本』(1983)、人体各部に独自の解析を試みた『ボディウォッチング』(1985)を発表した。
 1982年(昭和57)には来日して、テレビ番組『マンウォッチング 日本』を制作。1986年からはペットの行動分析に興味をもち、『ドッグ・ウォッチング』『キャット・ウォッチング』(ともに1986)などの著作とビデオをつくった。1990年代には『赤ん坊はなぜかわいい?(ベイビー・ウォッチング)』(1991)、『ボディートーク』(1994)、『セックスウォッチング』(1997)などを出版、2000年にはこれまでの世界各地でのマンウォッチングの旅をまとめた『裸の眼(め)』を出すなど、長年にわたって多彩な研究・著作と映像作成に励んできた。なお、モリスは美術にも造詣(ぞうけい)が深く、60年以上にわたって自身の作品をロンドン、パリなどのギャラリーで発表している。[藤田 統]
『日高敏隆訳『裸のサル――動物学的人間像』(1969・河出書房新社/改訂版・角川文庫) ▽矢島剛一訳『人間動物園』(1970・新潮選書) ▽石川弘義訳『ふれあい――愛のコミュニケーション』(1974・平凡社) ▽藤田統訳『マンウォッチング』(1980・小学館) ▽小原秀雄監修、鶴田公江訳『ナポレオンとひきがえる』(1981・日本ブリタニカ/改題改訂版『モリス自伝――動物とわたし』・1988・角川選書) ▽岡野俊一郎監修、白井尚之訳『サッカー人間学――マンウォッチング』(1983・小学館) ▽日高敏隆訳『年齢の本』(1985・平凡社) ▽藤田統訳『ボディウォッチング』(1986・小学館) ▽竹内和世訳『ドッグ・ウォッチング――イヌ好きのための動物行動学』(1987・平凡社) ▽羽田節子訳『キャット・ウォッチング――ネコ好きのための動物行動学』(1987・平凡社) ▽幸田敦子訳『赤ん坊はなぜかわいい?――ベイビー・ウォッチング12か月』(1995・河出書房新社) ▽日高敏隆監修、羽田節子訳『セックスウォッチング――男と女の自然史』(1998・小学館) ▽東山安子訳『ボディートーク――世界の身ぶり辞典』(1999・三省堂) ▽別宮貞徳訳『裸の眼――マン・ウォッチングの旅』(2001・東洋書林)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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