モント(英語表記)Ludwig Mond

改訂新版 世界大百科事典 「モント」の意味・わかりやすい解説

モント
Ludwig Mond
生没年:1839-1909

ドイツ出身のイギリス工業化学者。英名モンド。カッセルに生まれ,マールブルク(1855)とハイデルベルク(1856-59)で化学教育を受けた。1862年にイギリスに渡り,67年同国に帰化し,ウィドネスルブラン法による炭酸ソーダ製造で廃棄される硫黄の回収技術を確立,これを工業化した。72年にはベルギーの工業化学者E.ソルベーからソルベー法アンモニアソーダ法)による炭酸ソーダ製造のイギリス使用権を得て,ブランナーJ.T.Brunnerと共同でアルカリ工業を興し,81年ブランナー・モンド会社を創設した。84年以降の塩素回収研究からニッケルカルボニルを発見,これを使ってニッケル精錬法(モンド法)を確立,また89年に発生炉ガス(モンドガス)を発明,それぞれの分野で会社を設立し富を築いた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モント」の意味・わかりやすい解説

モント
Montt, Pedro

[生]1846. サンチアゴ
[没]1910.8.16. ブレーメン
チリの政治家大統領 (在任 1906~10) 。 M.モントの子。法律を学び,1876年下院議員,85年下院議長となり,91年の革命には指導的役割を演じた。その後革命フンタの使節としてアメリカに行き,新政府承認後は公使としてとどまった。 1901年の大統領選挙には敗れたが,06年には圧倒的多数の票を集めて大統領に当選。アルゼンチンとの武力衝突を回避し,鉄道建設,教育などの普及に努めた。在任中ドイツで没した。

モント
Montt, Manuel

[生]1809.9.8. ペトルカ
[没]1880.9.20. サンチアゴ
チリの政治家,法学者。大統領 (在任 1851~61) 。国立研究所で法律を学び,その後 J.プリエト内閣の行政官となり,1840年下院議員,M.ブルネス内閣の内相,法相を歴任。大統領時代には内相 A.バラスの協力を得て,商工業,鉄道建設,教育の振興,移民問題,ビオビオ川南部の植民に尽力,法律の成文化,限嗣不動産の廃止などの善政を施行し,51年と 59年には反乱を鎮圧。退任後,最高裁判所長官。

モント
Monte, Philippe de

[生]1521. メヘレン
[没]1603.7.4. プラハ
フランドルの作曲家。後期フランドル派を代表する巨匠でスペインのフェリペ2世,イギリスのメアリー女王,神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世,ルドルフ2世に仕え,ナポリ,ローマ,ロンドン,ウィーン,プラハなどの諸都市で活躍した。作品は,ミサ曲,モテト,シャンソン,マドリガルなど多数。

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367日誕生日大事典 「モント」の解説

モント

生年月日:1809年9月8日
チリの政治家,法学者
1880年没

モント

生年月日:1848年6月29日
チリの政治家
1910年没

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世界大百科事典(旧版)内のモントの言及

【ムギツク(麦突)】より

…コイ目コイ科の淡水魚。モント(兵庫県円山川),ムギー(山口県),ニナスイ(大分県)などとも呼ばれる。日本(琵琶湖・淀川水系以西の本州と九州北部)と朝鮮半島に分布。…

【有機金属化合物】より

… 一方,遷移金属の化合物では,まず金属カルボニルがつくられた。1881年イギリスのモントLudwig Mond(1839‐1909)がニッケルカルボニルNi(CO)4を,91年フランスのM.P.E.ベルトロが鉄カルボニルFe(CO)5をつくっている。ニッケルカルボニルはモンド法(1892)としてニッケル精錬に使われ,さらに多くの金属カルボニルがつくられ,20世紀になってからのレッペ反応で工業的に多く使われるようになったのである。…

【有機金属化合物】より

… 一方,遷移金属の化合物では,まず金属カルボニルがつくられた。1881年イギリスのモントLudwig Mond(1839‐1909)がニッケルカルボニルNi(CO)4を,91年フランスのM.P.E.ベルトロが鉄カルボニルFe(CO)5をつくっている。ニッケルカルボニルはモンド法(1892)としてニッケル精錬に使われ,さらに多くの金属カルボニルがつくられ,20世紀になってからのレッペ反応で工業的に多く使われるようになったのである。…

※「モント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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