モーラ(英語表記)mora

翻訳|mora

精選版 日本国語大辞典 「モーラ」の意味・読み・例文・類語

モーラ

〘名〙 (mora) (言語音声について)音韻連続の長さの単位現代の日本語では、五十音図それぞれのかな(濁・半濁音、拗音を含む)を一単位とし、それに長音促音撥音を加えて、一〇三種のモーラが標準的に数えられる。「はく(拍)」ともいう。また、一般に「音節」ともいうが、「音節」は音声学上の「シラブル」にもあてられ、音韻論上の考え方との間で混同されるおそれがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「モーラ」の意味・読み・例文・類語

モーラ(mora)

韻律学または音韻論上の単位。1短音節に相当するとされる音の長さ。「象[zoː]」、「缶[kan]」は音声学的には1音節であるが、2モーラとする。拍。音韻論的音節。

モーラ(mola)

モラ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モーラ」の意味・わかりやすい解説

モーラ
mora

モラともいう。ラテン語韻律学において,1短音節の長さに相当する時間の単位をさす。1長音節は1短音節の2倍の長さをもつ。転じて,おもに日本語のかな1字 (子音短母音) に相当する時間的長さの単位をさすのに用いられる。ただし,拗音 (子音+半母音+短母音) はかなでキャ,ショのように書くが,やはり1モーラである。「拍」という学者もある。日本語 (東京方言など) は,この等時間的単位が和歌俳句を数える単位となっている。またアクセントにおいても大切な役割を果している。これと,(音韻的) 音節は別の概念である。[kona]/kona/ (粉) ,[ko:]/koo/ (甲) ,[koN]/koN/ (紺) において,音節は,「粉」が2音節,他は1音節であるが,モーラは,いずれも2モーラである。撥音 (ン) ,促音 (ッ) ,長音 (ー) がそれ自身で1モーラをなすのが日本語の特徴であるが,日本語のなかでも方言により,モーラの認められないものもある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「モーラ」の意味・わかりやすい解説

モーラ

言語学音韻論で,子音音素と短母音音素との連結,またはこれに等しい長さの音素・音素連結をいう。言語歴史,方言などを研究するための単位。たとえば,東京方言の/koto/(琴)は2モーラ,つまり/ko/,/to/が1モーラである。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「モーラ」の解説

モーラ Mora, Belchior de

?-1616 スペインの宣教師。
イエズス会士。天正(てんしょう)5年(1577)長崎に来航。8年有馬セミナリヨ初代院長,下(しも)地区上長となる。のち長崎コレジヨの霊的指導司祭,管区顧問。慶長19年(1614)幕府の禁教令でマニラに追放され,1616年10月18日同地で死去。カラバカ出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android