日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
モーリー(Edward Williams Morley)
もーりー
Edward Williams Morley
(1838―1923)
アメリカの物理学者、化学者。ニュー・ジャージー州の牧師の家に生まれる。19歳まで両親に学んだのちウィリアムズ・カレッジに、ついで1861年には牧師を目ざしてアンドウバー神学校に入学した。牧師の職などを経て1882年ウェスタン・リザーブ大学の化学・博物学の教授となり、1901年まで務めた。この間1873年から1888年までクリーブランド医学校でも化学と毒物学とを教えた。若いころの彼は、ユージオメーターを用いて大気中の酸素の量を精密に測定し、寒波の原因についての気象学上の説に支持を与えた。また、プラウトの仮説を検証する目的で酸素の原子量を精密に測定して、15.879という値を得、彼自身はその仮説を退けた。彼はまた、マイケルソンやミラーDayton Miller(1866―1941)らとそれぞれ共同して絶対静止エーテルに対する地球の相対運動を検出する実験に携わった。精密な原子量測定の功績により、王立協会のデービー・メダルやアメリカ化学会のW・ギブス・メダルなどを受けた。
[杉山滋郎]
[参照項目] |
| |