日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヤコービ(Moritz Hermann von Jacobi)
やこーび
Moritz Hermann von Jacobi
(1801―1874)
ロシアの物理学者、電気工学者。ドイツのポツダムに生まれ、のちロシアに帰化。ゲッティンゲン大学で建築学を修め、建築家として独立したが、当時発展しつつあった電気学、とくにその技術的可能性に注目し研究を行った。1835年ドルパト(現、タルトゥ)のドルパト大学土木工学教授に招かれ、1837年ペテルブルグ大学へ転任。1834年モーター(電動機)の試作、1838年には電鋳を発明。またE・H・レンツとともに導線の太さや巻き数の変化に対する電磁石の強度を測定、単位を統一することの必要を説いた。電源を電池に頼らざるをえない時代にあってほとんど実用には至らなかったが、電信などの電気応用技術の開発に努めた。
[高橋智子]
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