ヤハズハンノキ(読み)やはずはんのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤハズハンノキ」の意味・わかりやすい解説

ヤハズハンノキ
やはずはんのき / 矢筈榛木
[学] Alnus matsumurae Call.

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)の落葉小高木。高さ10メートルに達する。樹皮は灰黒色、小枝は紫灰色で皮目がある。葉は倒心形で長さ5~10センチメートル、先はくぼみ、基部は広いくさび形となり、縁(へり)に重鋸歯(じゅうきょし)がある。側脈は6~9対あり、表面は濃緑色裏面は粉白色を帯びる。雌雄同株。4~5月、開花する。果穂は楕円(だえん)形で長さ1.5センチメートル、堅果広楕円形でごく狭い翼がある。亜高山の疎開地や崩壊地に生え、中部地方以北の本州に分布する。名は、葉の形を矢筈(やはず)に見立てたもの。

[菊沢喜八郎 2020年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android