ヤマゴボウ(山牛蒡)(読み)ヤマゴボウ(英語表記)Phytolacca esculenta; Indian poke

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマゴボウ(山牛蒡)」の意味・わかりやすい解説

ヤマゴボウ(山牛蒡)
ヤマゴボウ
Phytolacca esculenta; Indian poke

ヤマゴボウ科の多年草。中国の原産で,台湾に自生する。本州以南に帰化し,普通は人家に栽培され,ときに逸出して野生化している。全体に大型で毛がない。茎は円柱形,高さ 1m内外,緑色をしている。葉は大きな楕円形で先はとがり,全縁で無毛,柄がある。6~9月に,葉に対生する総状花序を出し,柄のある白い花を密につける。花弁はなく,萼は5個。果穂は直立し,液果は扁球形で黒紫色に熟する。葉は食用とし,根は薬用にするが有毒植物である。本種と近縁で北アメリカ原産のヨウシュヤマゴボウ P. americanaは大型多年草で高さ 1.5mにもなり,茎が紅紫色をしている。夏に咲く総状花序にはややピンクを帯びた5枚の白い萼片と,10本のおしべのある小花が密生し,熟すると紫紅色の扁平球形の果実をつける。この果穂は下向きに垂れ下がるのが特徴である。東京をはじめ都会地周辺に帰化していて,ごく普通に見かけるのはこの種である。

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