ヤーン(Friedrich Ludwig Jahn)(読み)やーん(英語表記)Friedrich Ludwig Jahn

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヤーン(Friedrich Ludwig Jahn)
やーん
Friedrich Ludwig Jahn
(1778―1852)

ドイツの体操家。ドイツの体操をツルネンTurnen(ドイツ式体操)として発展させた。彼は作業の形式より、むしろ量を重視した巧技的な運動を選んだ。1811年ベルリン郊外のハーゼンハイデにドイツで初めて体操場を開き、競走跳躍闘技、登はん、懸垂、耐久力と闘争精神を形成させる自然で遊戯的な運動を採用した。最初は自然の障害物を使用していたが、のちに鉄棒平行棒木馬などの器具を考案した。彼はとくに、体操を通して青少年に力と勇気を与え、男性的な若者を養成することに目標を置き、ドイツ式体操として、スウェーデン体操とともに世界の二大潮流をなした。

 またツルネン運動は「ドイツ統一と国民教育」を目標に掲げたため、学生たちに影響を与えた。そのため、ヤーンは逮捕されたこともあるが、のち再評価され、1840年鉄十字勲章を受け、後世に「ドイツ体育の父」とたたえられた。

[上迫忠夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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