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ユコス解体 ゆこすかいたい

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知恵蔵の解説

ユコス解体

2003年7月にロシアの石油大手ユコス社の持ち株会社メナテップのレベジェフ会長が逮捕され、ユコス社に捜査の手が入った。同年10月に当局は新興財閥の象徴的な存在であったユコス社長のミハイル・ホドルコフスキーを逮捕、ユコス株の44%を差し押さえた。理由は、民営化と資産獲得の過程で同社が脱税、横領、不正な株取得、殺人などを犯したというもの。ユコスは00年から03年までの脱税容疑で175億ドルの追徴課税を課せられ、そのため12月にはユコス社の石油の60%を産出する中核子会社ユガンスクネフチガスが強制的に競売にかけられた。これを国営石油会社ロスネフチのダミー会社が93億ドルで落札、ロシアを代表する石油大手のユコス社は政治的に解体され事実上国有化された。05年5月にホドルコフスキーとレベジェフ元会長に対して禁固9年の実刑判決が下された。ホドルコフスキーの企業経営は近代的で透明度が高いとして欧米の評価も高かった。彼はまた、将来大統領選に立候補すると公言していたし、野党のヤブロコや右派勢力同盟、さらに共産党にも資金援助をしていた。ユコス社の解体と国有化により、プーチン政権は国有企業と政権側民営企業合わせて産油量の約70%を掌握した。ユコス社攻撃で采配を振るっているのは治安関係出身者を中心とするシロビキといわれる勢力で、筆頭のセチン大統領府副長官は04年7月にロスネフチ会長になった。政権による民間企業への攻撃に内外で批判が生まれ、減少していたロシアからの資本流出は04年には一挙に増加。06年前半には、国外に流出する資金は、国外から流入する資金の2倍に達している。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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