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ユーラシア外交 ゆーらしあがいこう

知恵蔵の解説

ユーラシア外交

中央アジア諸国など旧ソ連の諸国との関係は、1997年7月、橋本龍太郎首相によりユーラシア外交として提示された。背景には、欧米諸国を巻き込んだカスピ海開発が進展したこと、また中ロ両国と中央アジアとの関係改善や、日本と中央アジア、カスピ海周辺諸国との関係が次第に整ったことが挙げられる。特に2001年9月の同時多発テロ以降、アフガニスタン復興支援に果たすべき日本の役割も大きい。カスピ海油田開発と、これを世界市場に運ぶ輸送ルートの問題が新たに注目されるようになった。90年代から中ロが中央アジア4カ国と組織した上海協力機構は、この地域での安全保障や対テロ対策に動き、05年にはインドなどもオブザーバー参加した。同時多発テロ以降この地域に展開しているアメリカ軍には一部政府が撤退を要求しはじめ、また対テロ面での中国の比重も高まっている。日本は、98年の秋野豊国連政務官殺害に象徴される同地の不安定化を食い止め、非核化などのために経済民生協力を行っており、04年8月には中央アジア+日本という協議体を発足させ、06年6月に東京で外相レベルの会議を開いた。この地域にはロシア、米国だけでなく中国やインドの関与も上海協力機構などを通じて広がっており、国際政治全体をどう安定させるかが問われている。

(下斗米伸夫 法政大学法学部教授 / 2007年)

ユーラシア外交

1990年代の橋本内閣時代から、中央アジア諸国、特にロシアとの連携を深める外交方針が提起された。その後21世紀になって対テロ戦争が課題となる中で、旧ソ連地域、特にロシアや中央アジア外交を新たに位置付ける日本の動きが表面化した。中央アジアとは、中ロが上海協力機構を立ち上げ、次第に軍事演習などで関係を深める中、日本と中央アジア5カ国との会議体を発足させ、特にウランなど資源外交を展開している。麻生前外相は「平和と安定の弧」を提唱、ウクライナグルジアなど市場原理と民主主義との価値観を共有する国々との関係を深めつつ、ロシアとの対話を深めることを提唱した。イラク、イラン、そしてアフガニスタン情勢の緊迫化を念頭に、中ロ中心の上海協力機構との関係を強化すべきであるという考え方がユーラシア専門家の一部で提唱されている。欧米にもこの考え方を支持する向きもあり、イラク紛争の混迷とも相まって注目される。

(下斗米伸夫 法政大学法学部教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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