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ユーラシア連合 ゆーらしあれんごう

知恵蔵の解説

ユーラシア連合

ロシアを軸とした中央アジア地域の経済連合構想。2011年10月4日、ロシア・プーチン首相が日刊紙イズベスチアに寄稿し、明らかになった。発表時は、ロシア下院選を控え、旧ソ連復活を望む国民向け選挙戦略の一つと見られたが、翌11月18日、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3カ国が「ユーラシア経済統合」宣言に調印したことによって、連合実現がにわかに現実味を帯びてきた。
この3カ国は、域内の関税を撤廃する「関税同盟」を前年から導入しているが、今後は、これまでの物品に加えて、サービス、人、資本の移動も、EU(ヨーロッパ連合)並みに自由化されることになる。また、単一通貨の導入も合意された模様。12年1月からは、実務・執行機関である「ユーラシア経済委員会」が常設され、「関税同盟」の委員会もここに統合される。
ロシア・メドベージェフ大統領は、遅くても15年までに「ユーラシア経済連合」を創立したいと意気込んでおり、他のCIS(独立国家共同体)諸国にも積極的に加盟を働きかけている。「ユーラシア経済連合」が、プーチン構想の帰結点なのか、さらなる超国家連合の布石なのかは不透明だが、経済統合に向けての周辺国の関心はきわめて高い。すでに「自由貿易圏」の設置条約には、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、アルメニア、モルドバの5カ国が調印しており、トルクメニスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャンの3カ国も検討に入っている。
なお、プーチンのユーラシア連合構想には、経済統合だけでなく軍備増強の方針も表明されている。大統領復職が既定路線になっているプーチンのこうした覇権主義的な発露に、欧米諸国からは、ロシア帝国主義の再興という危惧の念も高まっているが、政権幹部は声を合わせて否定する。プーチンも、ユーラシア連合は「ヨーロッパとアジア太平洋地域を結ぶ絆」としての役割を担う新たな連合体であり、「万国共通の原則に基づき、加盟国の政治的主権や民主主義、市場原理や自由競争を尊重する」と強調している。しかし、かつて「ソ連崩壊は20世紀最大の地政学的破局」と述べた絶対的権力者プーチンの“野望”に、国際社会の警戒心は消えていない。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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