日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ヨセフ(イスラエルの太祖)
よせふ
yôseph ヘブライ語
Joseph 英語
イスラエルの太祖。『旧約聖書』の「創世記」37章以下に、ヨセフと彼の兄弟たちの物語が叙述される。彼は、ヤコブの11番目の息子として生まれ、父から特別な寵愛(ちょうあい)を受け、自尊心も強かったので、兄たちのねたみを買い、彼らによって隊商に売られ、エジプトの役人の家で奴隷奉公するはめになる(37章)。しかしいくつかの試練を経たのち、ついに彼はエジプトの宰相となり、その国を飢饉(ききん)から救い(39~41章)、父や兄弟たちとも再会する(42~48章)。知恵により運命が切り開かれる、これがこの物語の主題である。
[定形日佐雄]