ヨーロッパオウギハクジラ(英語表記)Mesoplodon bidens; Sowerby's beaked whale

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヨーロッパオウギハクジラ
Mesoplodon bidens; Sowerby's beaked whale

クジラ目ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属。体長は雄約 5.5m,雌約 5.1mに達する。出生体長は平均約 2.4m。全身黒に近い灰色で腹部淡色。成鯨は白色か白に近い灰色の長円形の斑が不規則に散在する。この斑は未成鯨にはない。体表には咬傷の跡が筋状に残る。体型は細長い紡錘形で,体高は体幅より大きい。噴気孔は1個で頭部正中線上にあり,噴気孔前部がやや盛上がる。嘴 (くちばし) は細長い。咽喉部にハの字状の溝がある。背鰭 (せびれ) は吻部から体の後方5分の3に位置し,小さいが高さがあり三角形状で先端はとがり後縁は鎌状である。尾鰭の両先端はとがり,後縁は切れ込まず丸くふくらむ。下顎中央に1対の三角形状の歯があり,大きさは高さ約 10cm,幅約 4cmに達する。イカや小型魚類を捕食すると考えられる。北大西洋の冷水域に分布し,北海での発見が多い。ニューファンドランドで捕獲されていた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android