ライス・センター(読み)らいすせんたー(英語表記)rice center

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライス・センター」の意味・わかりやすい解説

ライス・センター
らいすせんたー
rice center

農家から半乾籾(もみ)(含水率15~18%)ないしは生籾(含水率18%以上)を受け入れ、これを人工乾燥手段によって所定の含水率(14.5%)に乾減し、玄米に調製(籾擢(す)り、精選)し、包装、検査、出荷する大規模な米穀の共同乾燥調製施設である。これに先だつ作業工程は農家による収穫籾の本施設への搬入であり、同じくこれに引き続く作業工程は指定農業倉庫への搬出であり、米穀はそこで玄米の形で保管貯蔵されることになる。わが国におけるライス・センターの設置は1959年(昭和34)から開始されており、とくに75年以降の5年間には年々ほぼ200の施設が建設されるに及び、95年(平成7)現在で施設の総数は全国で3643を数えるに至っている。これらのものの多くは国庫補助を受けて建設されており、設立主体、設置後の管理・運営主体は施設総数の67%(2457施設)までが農業協同組合である。乾燥・調製作業の省力化がこの施設のもっとも大きな目的であるが、収穫過程の機械化に伴って人工乾燥の必要性が急速に高まり、乾燥機の個人導入とともにライス・センターの設置が進展した。さらにコンバインの本格的な普及とともに、カントリーエレベーター、ドライ・ストアなどの類似施設の設置も増加している。

[小池恒男]

『庄司英信他著『農業機械学』(1971・朝倉書店)』『長島守正他著『農業施設』(1976・文永堂)』『日本農作業研究会編『農作業便覧』(1985・農林統計協会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android