ライトスルー/ライトバックキャッシュ
メインメモリーの内容をキャッシュに読み込むことをフィル(fill)といい、486では16bytes単位、Pentiumなら32bytes単位(これをラインと呼ぶ)で行なう。キャッシュをフィルするためには、空きラインを見つけなければならないが、もし空きラインがなければ(キャッシュ内がすべて有効なデータで埋まっている場合は)、まず、使用頻度の低いラインを解放することが必要になる。これをキャッシュをフラッシュするという。 ライトスルーとライトバックは、キャッシュのデータ更新のバリエーションである。プロセッサーがデータをメモリーに書き込む場合、キャッシュと同時にメインメモリーにも書き込む方式をライトスルー(write through)という。この方式では、書き込みの時間はメインメモリーのアクセス時間と同じなので、高速化はされない。しかしキャッシュの内容をフラッシュする必要が生じても、何もしなくてもよいので、回路が簡単になる。これに対してライトバック(write back)方式では、書き込みはキャッシュメモリーにも行なって、読み出し時間だけではなく、書き込み時間をも短縮している。しかし実際に書き込まれたデータはキャッシュメモリー上にしか存在しないため、キャッシュをフラッシュするときは、キャッシュメモリーの内容をメインメモリーに書き戻さなければならない。この動作を称してライトバック方式と呼ぶ。この方式は、ライトスルー方式よりも実装は困難だが、全体的な性能はライトスルーよりもよくなる。
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