ラスク(Rasmus Christian Rask)(読み)らすく(英語表記)Rasmus Christian Rask

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ラスク(Rasmus Christian Rask)
らすく
Rasmus Christian Rask
(1787―1832)

デンマークの言語学者。比較言語学の創始者の一人。コペンハーゲン大学図書館副館長(1808)、のち同大教授(1825)を務めた。デンマークの学士院の懸賞論文として1814年に提出した『古代ノルド語の起源に関する研究』Undersøgelse om det gamle nordiske eller islandske sprogs oprindelse(1818刊行)で、のちに「グリム法則」とよばれたゲルマン語の音韻推移の現象を初めて明らかにした。その後、南ロシア、ペルシア、インドを旅行し、言語調査を行うとともに、東洋諸語の多くの稿本を収集した。ゾロアスター聖典の言語アベスタおよび古代ペルシア語サンスクリット語との親縁性を確証し、またケルト語の印欧語的性格を明らかにした。ほかに、アイスランド語、アングロ・サクソン語フリジア語などの文法書を書いた。

[松本克己 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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