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ラス・カサス Bartolomé de Las Casas

世界大百科事典 第2版の解説

ラス・カサス【Bartolomé de Las Casas】

1474?‐1566
スペイン人聖職者,歴史家。インディオの自由と生存権を守るために精力的に活動した。1502年カリブ海のイスパニオラ島へ伝道師として渡る。インディオの改宗に従事する一方,従軍司祭として征服に参加し,褒賞としてイスパニオラ島のシバオでインディオの割当て(エンコミエンダ)を受けた。のちキューバ島へ移り,同島でもエンコミエンダを受領し,彼自身の言によると,この時期,布教活動より世俗的利益の追求に専念した。14年6月,総督ディエゴ・ベラスケスより依頼されたミサの準備中,インディオに加えられている不正に気づき,自己のエンコミエンダのインディオを解放。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のラス・カサスの言及

【インディヘニスモ】より

…新大陸の西欧的開発は原住民を犠牲にして遂行された。その初期におけるこの運動の担い手は,主としてラス・カサスらの宗教関係者であった。独立後,イギリスの主導のもとに,資本主義経済が発展し,原住民共同体の破壊が進行したが,特に19世紀末,欧米諸国の強烈な資本進出が始まって以来,事態はきわめて深刻なものとなった。…

【エンコミエンダ】より

…エンコメンデロは封建領主の世襲身分を獲得したものと自ら任じていたが,スペイン絶対王権は,俸給制に基づく官吏によって新大陸を統治できる見通しがつくと,直ちにこの制度の撤回に着手する。これを思想面で補強したのが,ラス・カサスをはじめとするスペインの修道士,知識人の間に急速に広まった先住民保護の動きであり,彼らは先住民の大量死の元兇としてエンコミエンダ制を指弾した。1542年のインディアス新法(インディアス法)がその結実であり,その撤回後,49年にあらためて私賦役を禁じ,次いで保有者が死ぬごとに各個撃破で信託権を没収していった。…

【クマナ】より

…1520年にマンサレス川の河口に建設された南米最古のスペイン都市で,1569年までヌエバ・コルドバと呼ばれた。植民地時代は砂糖,コーヒーなどの熱帯性農産物が生産され,またラス・カサスが1521年にここでキリスト教に基づいた原住民の理想社会を建設しようとした。今日では,水産加工業が進出し,沖合のマルガリータ島の諸都市とともにベネズエラ漁業を担っている。…

【黒い伝説】より

…とくにハプスブルク朝下のスペインの覇権に敵意をもつ国々は,異端審問にみられる宗教的不寛容と残虐な拷問,およびインディアスの征服におけるコンキスタドールの非道な行為を口実に反スペイン運動を展開し,〈黒い伝説〉を作り上げた。そのなかで1552年セビリャで出版されたラス・カサスの《インディアスの破壊についての簡潔な報告》は著者の意図とはかけ離れて,スペイン人によるスペイン人告発の書として〈黒い伝説〉のなかで大いに利用された。〈伝説〉は19世紀初頭スペインからの独立を目指すイスパノ・アメリカでも,政治的に利用された。…

【トゥストラ・グティエレス】より

…太平洋岸の外港サリナ・クルスへの鉄道建設,メキシコ市からオアハカを経てグアテマラに通ずる国際高速道路の建設が進み,交通の要衝でもある。チアパスChiapas州は16世紀にドミニコ会により宣教・植民され,ラス・カサスも司教に任ぜられている。グアテマラと国境を接する同州はメキシコにおいてもインディオ人口の多い地域として知られる。…

【トスカネリ】より

…コロンブスに西航を決意させた海図を提供したことで知られる。コロンブス一家と交際があり,コロンブスの遺品の一部を譲り受けたスペイン人ラス・カサスの《インディアス史》(1552‐61)第1巻に,トスカネリのコロンブスあて書簡2通(日付なし)が収められており,1通は1474年のマルティネスF.Martines(ポルトガル顧問官)あて書簡と同文であるが,キサイ(杭州)をリスボンの西1625レグア(約9000km。当時算定の地球全周値の1/3)の所にあると見積もり,そのことを示す海図を添えると書かれている。…

※「ラス・カサス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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