シリア北部,ユーフラテス川東岸の都市。人口約3万5000。ギリシア名はニケフォリオンNikēphorion,のちセレウコス2世の名にちなみカリニコスKallinikos。アッバース朝第2代カリフ,マンスールが772年に円形の都城アル・ラフィカAl Rafiqaを建設。カリフ,ハールーン・アッラシードの〈夏の宮〉の所在地として,またビザンティン帝国への前哨基地として知られたが,13世紀のモンゴル侵寇によって廃墟と化す。おもな遺構は,城壁,バグダード城門,ダマスクスのウマイヤ・モスクをモデルとしたマンスールのモスク(12世紀に再建)のファサードとミナレット,ハールーン・アッラシードの〈平和宮〉のイーワーンなど。また,ラッカは9~13世紀の単彩釉,ラスター彩,多彩釉,青釉黒彩文,ラカビー手陶器などの重要な窯場であった。
執筆者:杉村 棟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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