日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラッセル(Henry Norris Russel)
らっせる
Henry Norris Russel
(1877―1957)
アメリカの天文学者。ニューヨーク州に生まれ、1897年プリンストン大学を卒業。カーネギー財団の援助でケンブリッジ大学に留学し、年周視差の写真測定法を修業、帰国後、母校の講師となり、1911年に教授兼天文台長に昇進、1947年までその任にあった。1912年食連星を観測しその光度曲線と速度曲線とを解析して、主星と伴星の質量・距離などを算出する方法を考案。またその内部構造を推定して、連星の発生と高密度化の過程について論及した。1913年恒星視差の測定から定めた絶対光度をスペクトル型と対応させてHR図を発表、これは恒星進化論の基礎資料となった。1920年太陽の吸収スペクトルの量的分析から、太陽大気中では水素量が圧倒的であることを検出し、またカルシウム、チタン、鉄など重元素線の相対強度について経験法則を展開した。国際天文学連合の委員長を務め、イギリスの王立天文協会から金賞を受けた。
[島村福太郎]
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