日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラッセル(Nikolay Konstantinovich Russel')
らっせる
Николай Константинович Руссель/Nikolay Konstantinovich Russel'
(1850―1930)
本名スジロフスキーСудзиловский/Sudzilovskiy。ロシアの革命家、医師。白ロシア地方に生まれ、ペテルブルグ大学、キエフ(キーウ)大学に学ぶ。ナロードニキ主義の立場にたってさまざまな社会運動にかかわる。1875年に国外に亡命、初めバルカン諸国の運動に足跡を残したのちハワイに渡り、土着住民のために活動。日露戦争期には日本にきてロシアの戦争捕虜に対する革命宣伝に従事、「在長崎露国革命党首領」と称された。1910年、取締りの厳しくなった日本を去りフィリピンに移住、その後一時長崎に帰るが、晩年は中国の天津(てんしん)で過ごし、同地で死去した。
[原 暉之]