ラティオ(読み)らてぃお

世界大百科事典(旧版)内のラティオの言及

【音楽】より

…このように包括的な〈音楽〉の概念は,ヨーロッパ中世においては崩壊し,それに代わって思弁的な学として〈自由七科septem artes liberales〉の中に位置づけられる〈音楽〉と演奏行為を前提として実際に鳴り響く実践的な〈音楽〉の概念が生まれたが,後者は中世からルネサンスにかけてのポリフォニー音楽の発展につれて,しだいにリズム理論,音程理論などを内部に含む精緻な音の構築物へと進化した。これらの実践的な音楽とその理論がギリシア古代から一貫して受け継いだのは,音楽的な構築の基礎を合理的に整除できる関係(ラティオratio)と数的比例(プロポルティオproportio)に求める考え方である。合理的に割り切れることと数的比例を重んじるこの精神は,古代中国の音律理論にも見られるところであるが,これをリズム理論,音程とハーモニーの理論,楽節・楽段の構造その他,部分と全体の照応するほとんどすべての関係に及ぼして,精緻な音の構築物を作ろうとするところに西欧的な〈作曲composition〉の特色があった。…

※「ラティオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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