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ラテンアメリカの最新潮流 らてんあめりかのさいしんちょうりゅう

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知恵蔵の解説

ラテンアメリカの最新潮流

左派政権が席巻する南米で、アルゼンチンに女性のフェルナンデス大統領が誕生した。経済危機を立て直した夫のキルチネル政権の後を継ぎ左派政権を維持する構えだ。中米ではニカラグアにかつての革命政権を率いたオルテガ大統領が返り咲いた。激しい内戦が36年続いたグアテマラでも中道左派コロンが右派の元将軍を破って大統領に当選した。南米の左傾化の波が中米にまで広がったといえる。 南米の左傾化の旗振り役であるベネズエラチャベス大統領は、キューバとの関係を強化しベネズエラの社会主義化を進める道を示すなど、いっそう左傾化する姿勢を見せた。しかし、反対派の民放局を閉鎖し、独裁化を招きかねない新憲法を提案して国民投票にかけるなど強権発動が目立った。新憲法は国民投票では小差ながら否決され、チャベス政権の急速な左傾化には国民から歯止めがかけられた格好だ。 経済の面では南米の域内統合がいっそう進展した。ベネズエラが主導しブラジル、アルゼンチンの大国が賛同する形で南米銀行、南米基金など金融面での協調関係を制度化する仕組みが実現に歩を進めた。これに対して米国は巻き返しを図り、北米自由貿易協定(NAFTA)にならって米国と中米5カ国とカリブ海ドミニカ共和国が参加する中米自由貿易協定(CAFTA)の成立を強力に進めた。最後まで批准をためらったコスタリカで国民投票が行われ賛成派が辛うじて勝利したため、実現化が進展した。ラテンアメリカを舞台とした米国と南米諸国との政治、経済の勢力圏争いが中米で衝突している格好だ。

(伊藤千尋 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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