ラファイエット

精選版 日本国語大辞典 「ラファイエット」の意味・読み・例文・類語

ラ‐ファイエット

[一] (Marie Madeleine Pioche de la Vergne, Comtesse de La Fayette マリー=マドレーヌ=ピオシュ=ド=ラ=ベルニュ、コンテス=ド━) フランスの女流小説家。代表作クレーブ奥方」はフランス恋愛心理小説の古典とされる。(一六三四‐九三
[二] (Marie Joseph La Fayette マリー=ジョゼフ━) フランスの軍人政治家。貴族出身の自由主義者。アメリカ独立戦争に従軍して勝利に貢献。帰国後フランス革命に参加して一七八九年人権宣言起草したが、のち立憲君主制の維持の立場から共和派と対立し、亡命。一八〇〇年帰国。ナポレオン体制下には引退生活を送ったが王政復古後、政界に返り咲き、自由主義政党を指導、七月王政の成立に貢献した。(一七五七‐一八三四

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デジタル大辞泉 「ラファイエット」の意味・読み・例文・類語

ラ‐ファイエット(Marie Joseph Paul Yves Roch Gilbert Motier La Fayette)

[1757~1834]フランスの政治家・軍人。侯爵アメリカ独立革命で活躍後、フランス革命人権宣言を起草。立憲王政を支持したため革命進展の中で孤立して亡命。帰国後、王政復古を機に七月革命で再び活躍した。

ラ‐ファイエット(Marie-Madeleine Pioche de La Vergne La Fayette)

[1634~1693]フランスの女流小説家。代表作「クレーブの奥方」はフランス心理小説先駆

ラファイエット(Lafayette)

米国ルイジアナ州南部の都市。18世紀にカナダから移ってきたアカディア人の子孫が数多く住む。アカディア人の歴史文化を紹介するジャン‐ラフィット国立歴史公園や、18~19世紀の町並みや生活を再現した野外博物館などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラファイエット」の意味・わかりやすい解説

ラ・ファイエット
Marie Joseph Paul Yves Roch Gilbert Motier, marquis de La Fayette
生没年:1757-1834

フランスの政治家,大革命の指導者。オーベルニュ地方の侯爵家に生まれる。多額の遺産を相続し,軍人となるが,1777年単身アメリカに渡り,義勇兵として独立戦争に参加した。帰国後,87年に名士会,89年には全国三部会に貴族身分の議員として選出された。すでに〈新大陸の英雄〉として人気を博していた自由主義貴族ラ・ファイエットの名声はこれによりいっそう高まり,同年7月のバスティーユ事件の直後パリ国民軍司令官に指名され,〈両大陸の英雄〉となった。また革命勃発にあたっては人権宣言を起草した。しかしフーイヤン派に属する彼の政治的立場は立憲君主制の維持強化を図ることにあり(フーイヤン・クラブ),91年のシャン・ド・マルス事件では共和政請願のために集まった群衆を弾圧した。92年,共和政樹立を阻止するために軍事クーデタを企てたが失敗し,前線よりオランダに逃亡,オーストリア軍に〈革命家として〉逮捕された。5年の拘留ののち帰国し,王政復古期に自由主義的政治家,革命の象徴として人気を取り戻し,1830年七月革命で再度,国民軍司令官に指名された。
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旺文社世界史事典 三訂版 「ラファイエット」の解説

ラファイエット
Marie-Joseph Motier, Marquis de La Fayette

1757〜1834
フランスの軍人・政治家
アメリカ独立戦争に参加。帰国後,三部会には貴族議員として選出され,自由主義貴族の中心となって革命を支持して人権宣言を起草し,国民軍司令官となった。フイヤン派の結成に参加し,立憲君主制を主張して国王と議会の仲介をはかったため,1792年の8月10日事件後は逮捕を恐れてオーストリア軍に投降。1800年の帰国後,第一帝政・復古王政には反対の態度をとり,七月革命には再び国民軍司令官となって活躍し,七月王政の成立に貢献。

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デジタル大辞泉プラス 「ラファイエット」の解説

ラファイエット

《La Fayette》フランス海軍の航空母艦。1947年に退役したアメリカ海軍のインディペンデンス級航空母艦「ラングレイ」をフランスが借り受け、改称して再就役させたもの。1951年就役。インドシナ戦争、第二次中東戦争などに派遣。1963年、退役してアメリカに返却。

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世界大百科事典(旧版)内のラファイエットの言及

【国民軍】より

…その性格は時代と共に変化している。 1789年7月14日のバスティーユ攻撃の前夜,パリの選挙人集会が市民軍の結成を決議し,15日ラ・ファイエットを総司令官に任命し,国民軍60大隊を組織することとした。これに地方の各都市も呼応し,91年10月の法令によりその法的枠組みが定められた。…

※「ラファイエット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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