日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラロ(Charles Lalo)
らろ
Charles Lalo
(1877―1953)
フランスの美学者。ペリグーに生まれる。音楽美学や実験美学の研究によって博士号を取得したのち、ソルボンヌ大学(パリ大学)の美学講座をバッシュから受け継いだ。スリオ、バイエとともに『美学雑誌』Revue d'Esthétiqueを創刊し、フランス美学会最初の会長となった。思想的には当初、社会的環境が芸術に及ぼす影響を重視し、実証主義的な立場から芸術の社会学を展開した。しかし後年にこの社会学的観点を改め、芸術家の心理的・美的類型types psycho-esthétiquesの研究に転じ、芸術を生の表現、生からの逃避、生の代理ととらえる三類型をたてたうえで、これを個々の芸術家に適用した。
[村山康男 2015年6月17日]
『シャルル・ラロ著、田部節訳『芸術と社会生活』(1936・改造社)』
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