日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ランゲ(Friedrich Albert Lange)
らんげ
Friedrich Albert Lange
(1828―1875)
ドイツの哲学者。ボン大学に学び、のち同大学私講師。やがてチューリヒ大学を経てマールブルク大学教授となる。彼の著作『唯物論史および現代における唯物論の意味批判』(1866)は名が高く、これによって新カント学派の先駆者とされている。カントの哲学をふたたび生き返らせようとするのだが、認識の普遍妥当性の根拠の解釈など多分に心理主義的である、とされ、カントの哲学を正しく生かしきれたとはいえない。ほかに社会問題についての著作もあり、実際に一時活動家でもあった。上掲のほかに『Die Arbeiterfrage』(1865)などがある。
[武村泰男 2015年4月17日]
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