リアトリス(英語表記)gayfeather
button snakeroot
Liatris

精選版 日本国語大辞典 「リアトリス」の意味・読み・例文・類語

リアトリス

〘名〙 (liatris) キク科植物の属名北アメリカに四〇種ほどあり、同属中のうち、特に観賞用に栽培される種類総称していう。キリンギクなど。《季・夏》

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デジタル大辞泉 「リアトリス」の意味・読み・例文・類語

リアトリス(〈ラテン〉Liatris)

キク科リアトリス属の多年草の総称。葉は線状。夏に紫紅色白色頭状花穂状につき、上から下へと咲く。北アメリカの原産で、観賞用。

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改訂新版 世界大百科事典 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス
gayfeather
button snakeroot
Liatris

キク科ユリアザミ属Liatrisの総称。耐寒性多年草で北アメリカ原産。根部が塊茎状となるため,球根植物として扱われることもある。ユリアザミ属には約40種ほどあるといわれるが,園芸的には次の種類が多く栽培され,おもに切花として用いられる。キリンギクL.spicata(L.)Willd.(英名devil’s-bit,prairie pine)は高さ1m以上となり,葉は線形,花は小さい藤桃色の頭状花で密な長い穂状花序となる。花期は7月。タマザキリアトリスL.ligulistylisNelson)Shulz Bipontiusは高さ50cm前後,紫色小花が密集した頭状花を散房総状花序につける。花期は6~7月。マツカサギクL.scariosa(L.)Willd.(英名blue blazing star,rattlesnake master)は高さ1.2~1.5m,茎は強直で,半球形の頭状花を粗い穂状花序をなしてつけ,花茎は藤紫色。花期は9月。これもタマザキリアトリスと呼ばれることがある。ヒメキリンギク(ユリアザミともいう)L.pycnostachya Michx.は高さ1m前後,線形葉は密生し,紫色の頭状花が密穂花序となる。花期は8~9月。

 栽培は3月ごろ塊茎を植えるが,実生も容易で春まきをする。日当り排水のよい所で栽培するとよい。夏に白絹病が出やすいので乾燥地では注意する。

 この属には北米インディアンが根部を食用にしていた種が少数ある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス
りあとりす
gay-feather
blazing star
snakeroot
[学] Liatris

キク科(APG分類:キク科)リアトリス属の総称。北アメリカ原産の耐寒性多年草。根は塊茎状を呈するものが多い。約40種知られ、和名キリンギク、マツカサギク、ユリアザミの名でよばれるものがある。よく知られるスピカータL. spicata Wild.は高さ1.6メートル以上に達する。葉は線状で多数つき、上部にいくほど小形になる。6~7月、茎の上部に穂状に頭状花をつける。花は紫桃色で白色花の品種もある。またリグリスティリスL. ligulistylis Schum.は、高さは前種より低く、約45センチメートル。頭状花は半球状で大きく、茎の上部に総状花序につく。スカリオサL. scariosa Wild.とともにタマザキリアトリスとよばれる。なおスカリオサはマツカサギクともよばれる。

 栽培は容易で耐寒性も強く、日当りのよい所では土質を選ばない。繁殖は一般に実生(みしょう)により、4~5月、畑に播種(はしゅ)する。株分けもできる。

[岡田正順 2022年5月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス
Liatris; gayfeather

キク科のユリアザミ属の属名で北アメリカ原産で約 30種が知られている。そのうち,観賞用に栽培されるのはユリアザミ L. pycnostachya,キリンギク L. spicataなど数種である。いずれも耐寒性の多年草で地下の根は塊茎状をなし,そこから単一またはまばらに分枝した茎を生じる。切り花,花壇用に栽培される。葉は線形,全縁で互生する。頭花には舌状花はなく桃紫色または白色で管状花から成り,長い穂状または総状花序となる。痩果は 10稜あり,冠毛は剛毛から成る。タマザキリアトリス L. ligulistylisは北アメリカの中西部に分布し,6~7月,総状花序に紅紫色の花をつける。ユリアザミ (別名ヒメキリンギク) は紫色の管状小花3~6個で頭花をつくり穂状花序となる。マツカサギク L. scariosaは半球状で多数の頭花を9月頃に開く。

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百科事典マイペディア 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス

北米原産のキク科ユリアザミ属の多年草の総称。根は太く,塊茎状をなすものもある。葉は線形。頭花は筒状花のみからなり,茎の上部に総状(玉咲型)または穂状(槍咲型)につく。約40種ほどあるが,そのうち数種が日本でも花壇植,切花用として栽培されている。ユリアザミは槍咲型,高さ60〜120cm,頭花は紫色で,8〜9月に開花。タマザキリアトリスは玉咲型,高さ50cm内外,葉の幅が広く,頭花は帯赤紫色で5〜6月に開花する。キリンギクは槍咲型,高さ30〜150cm,花は藤桃色で7月に開花するが,白花の系統もある。リアトリス・スカリオサは玉咲型,高さ130〜150cm,頭花は紫紅色で8〜9月に開花するが,白花の系統もある。

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