日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リシュリュー(Armand Emmanuel du Plessis, duc de Richelieu)
りしゅりゅー
Armand Emmanuel du Plessis, duc de Richelieu
(1766―1822)
フランスの政治家。大革命の初期に亡命し、ロシア軍隊に入る。その勇敢さと高潔な人格をロシア皇帝アレクサンドル1世に認められて1803年オデッサ(現、オデーサ)の知事に任ぜられ、この地の経済発展に尽くした。王政復古とともに帰国し、1815年首相となる。翌1816年の選挙で議会の多数を占めた立憲王党派に依拠して中道政策を進め、1818年までにナポレオン戦争の賠償金の支払いと外国軍隊の撤退を実現した。1820年王位継承者ベリー公暗殺後の反動化の時期にふたたび首相の任を帯びたが、ビレールら過激王党(ユルトラ)派の攻勢を支えきれず1821年末辞職した。
[服部春彦]