日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リチャードソン(Lewis Fry Richardson)
りちゃーどそん
Lewis Fry Richardson
(1881―1953)
イギリスの数理物理学者、気象学者。ニューカッスル・アポン・タインに生まれる。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジ、ロンドン大学に学び、政府機関、産業界、学術機関などに勤務した。差分法を発展させて物理学の問題に応用したが、そのなかでも著しい業績は気象の数値予報と大気運動における拡散の問題にこれを利用したことであり、数値予報のパイオニアといえよう。1922年に刊行された『数値的手段による天気予報』Weather Prediction by Numerical Processは最初の本格的な気象力学の教科書として現在の数値予報の基礎となっている。晩年は心理学に興味をもち、戦争の待ち時間論、国際関係の数理論、計算技術、気象機器などについて幅広く研究した。乱流論におけるリチャードソン数は彼の名に由来する。
[根本順吉]
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