リニメント剤(読み)りにめんとざい(英語表記)liniment

翻訳|liniment

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リニメント剤」の意味・わかりやすい解説

リニメント剤
りにめんとざい
liniment

液状または泥状で、皮膚に擦り込んで用いる外用剤。古くは擦(さつ)剤といわれた。この製剤は、医薬品に水、エタノール脂肪油グリセリンせっけん界面活性剤、懸濁化剤もしくはそのほかの適当な物質、またはこれらの混合物を加え、全質を均等にして製する。代表的なものにフェノール・亜鉛華リニメントがある。消毒鎮痒(ちんよう)(かゆみ止め)の目的で用いられる。なお、薬物をせっけんまたは脂肪油のエタノール溶液に混和したものの例としてオポデルドッグがあるが、現在はほとんど用いられていない。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リニメント剤」の意味・わかりやすい解説

リニメント剤
リニメントざい
liniment

塗布剤ともいう。皮膚にすりこんで使う,液状または泥状の外用剤である。医薬品を水,エタノール,脂肪油,グリセリン,石鹸,界面活性剤,懸濁化剤あるいはこれらの混合物に加えて,全質均等にしてつくる。基剤により乳剤性,アルコール性,油性リニメントの3種がある。軟膏剤ローション剤の中間的利点をもつ。製剤としては,フェノール・亜鉛華リニメントがある。

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