リビングストン(David Livingston)(読み)りびんぐすとん(英語表記)David Livingston

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リビングストン(David Livingston)
りびんぐすとん
David Livingston
(1813―1873)

イギリスの宣教師、探検家。スコットランドブランタイアで生まれる。家庭が貧しかったため10歳のときから働きながら勉学した。1840年、医療伝道師として南アフリカに渡り、各地で布教活動を行ったが、住民の改宗にはほとんど成功しなかった。翌1841年から奥地探検に赴き、カラハリ砂漠を越えヌガミ湖に達した。1852年ザンベジ川を遡行(そこう)し大西洋岸のルアンダに到達、その後、ビクトリア滝を発見、ザンベジ川を下りインド洋岸のケリマネに達し、白人として初のアフリカ大陸横断者となった。1859年にはニアサ湖(現、マラウイ湖)を望見、付近の奴隷狩りの実態を暴露し、後の奴隷貿易の禁止に大きな影響を与えた。1866年ナイル川の水源を調査するため最後の探検に出発し行方不明となったが、タンガニーカ湖畔のウジジで、捜索にきたスタンリーと劇的な対面を行った。その後スタンリーとともに調査を続けたが、1873年5月、ザンビアのバングウェウル湖南岸付近で病死した。遺骸(いがい)はアフリカ人従者2人の指揮のもとにイギリスに運ばれ、ウェストミンスター寺院に葬られた。

[青木澄夫 2018年2月16日]

『リヴィングストン著、菅原清治訳『世界探検全集8 アフリカ探検記』(1977・河出書房新社)』『エルスペス・ハクスレー著、中村能三訳『リヴィングストン』(1979・草思社)』

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