リホーミング触媒(読み)リホーミングショクバイ

化学辞典 第2版 「リホーミング触媒」の解説

リホーミング触媒
リホーミングショクバイ
reforming catalyst

炭化水素改質(リホーミング)に用いられる触媒.リホーミングには,ガソリン製造および芳香族炭化水素製造のためのリホーミング(接触改質)と,合成ガス製造のための炭化水素のスチームリホーミングとがある.接触改質法はガソリンのオクタン価を向上させるための方法であり,その内容は芳香族化,および異性化である.元来,この方法に用いられてきた触媒には,Al2O3担体として,10~20質量% のCr2O3および1~2質量% のK2Oを担持したもの,10質量% のMoO3を担持したもの,0.3~0.8質量% のPtを担持したもの,などがあるが,現在,実用されているのは,PtにReやSnなどを添加した白金系のマルチメタル触媒である.白金系のすぐれている点は寿命の長いことであり,価格の高い点を補っている.白金系触媒は,通常,0.3~0.8% の白金がγ-アルミナに担持されており,1% 以上のハロゲンが促進剤として添加されている.近年,白金にレニウム(レニホーミング法),ゲルマニウム,スズなどを加えたバイメタリック触媒が開発され,これは従来の白金単独の触媒よりも耐毒性がまさり,低圧操作が可能で,白金濃度が低くても高活性を長時間維持する.さらに,多種金属を添加したマルチメタリック触媒も実用化されている.ただし,触媒機能の本質は白金にある.一方の炭化水素のスチームリホーミングは,CO + H2 の合成ガスを得ることを目的としたもので,高温の反応温度に耐えるα-アルミナなどの担体につけたニッケル触媒が一般に使われている.塩基性酸化物助触媒とすることで,炭素質の析出を大幅に低下することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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