リー(Mike Leigh)(読み)りー(英語表記)Mike Leigh

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リー(Mike Leigh)
りー
Mike Leigh
(1943― )

イギリスの映画監督。イングランド中西部のサルファッド生まれ。即興を多用する独自の演出法で、人物の心理や感情を繊細に描くのを得意とする。俳優、演出家として舞台を経験したあと、1971年、『ブリーク・モーメント』で監督デビュー。その後、舞台やテレビを中心に活動し、『五月のナッツ』(1976)、『アビゲイルのパーティ』(1977)など人物の性格を鋭く風刺したコミカルなテレビ・ドラマで喝采(かっさい)を博す。1988年、『ハイ・ホープス』で映画に復帰。以後ネイキッド』(1993年、カンヌ国際映画祭監督賞)、『秘密と嘘』(1996年、カンヌ国際映画祭パルム・ドール)、『トプシー・ターヴィー』(1999)、『ヴェラ・ドレイク』(2004年、ベネチア国際映画祭金獅子賞)、『家族の庭』(2010)と、しだいに円熟の度を加えながら次々に秀作を発表している。

[宮本高晴]

資料 監督作品一覧

ブリーク・モーメント Bleak Moments(1971)
ハイ・ホープス High Hopes(1988)
ライフ・イズ・スイート Life Is Sweet(1990)
ネイキッド Naked(1993)
秘密と嘘 Secrets & Lies(1996)
キャリア・ガールズ Career Girls(1997)
トプシー・ターヴィー Topsy-Turvy(1999)
人生は、時々晴れ All or Nothing(2002)
ヴェラ・ドレイク Vera Drake(2004)
ハッピー・ゴー・ラッキー Happy-Go-Lucky(2008)
家族の庭 Another Year(2010)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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