精選版 日本国語大辞典 「ルコントドリール」の意味・読み・例文・類語
ルコント‐ド‐リール
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フランスの詩人。インド洋西部のフランス領レユニオン島に生まれる。はじめ父の意志に従い貿易商たるべくインド旅行などを試みるが,文学への情熱を捨てきれず,1845年ころからパリに定住,フーリエ主義(C.フーリエ)に共鳴し,機関誌《ファランジュ》などの編集に協力する。48年の二月革命の敗北を機に,フーリエ主義に基づく革命思想から遠ざかる。そして古代インドの宗教に関心を抱いたり,古代ギリシアの調和と秩序を憧憬するなど,古代賛美に幻滅をいやす道を求める。《古代詩集》(1852)はその所産である。その後さらにエジプト,北欧等々世界各地の神話,伝説に素材を汲んだ《夷狄詩集》(1862),ギリシア悲劇を主題とする《悲劇詩集》(1884)などによって,いわゆる不感無覚を原理とし,壮大な造形性に富む客観的なイメージを重視する独自の詩法を確立,高踏派の中心人物となった。1886年,アカデミー・フランセーズ会員に選ばれている。
執筆者:菅野 昭正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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