日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ルブラン(Albert Lebrun)
るぶらん
Albert Lebrun
(1871―1950)
フランスの政治家。ロレーヌ生まれ。鉱山技師を経て政界に入り、1900~1920年下院議員、1911~1914年植民地相を務め、第一次世界大戦末に対ドイツ封鎖相、休戦直後には解放地域相となる。1920~1932年上院議員、1931年以来上院議長であったが、1932年5月ドゥメル大統領暗殺後に社会党候補者を破って第三共和政最後の大統領に当選、1939年4月にも再選された。1934年初頭の国内のファッショ攻勢に際し、元大統領ドゥメルグに右翼的挙国一致内閣を組織させ、また第二次世界大戦下の1940年6月、ペタン元帥に対ドイツ降伏内閣をつくらせた。同年7月ペタンは新憲法を公布、大統領制を廃止、ルブランを解職した。彼は一時ドイツ軍に捕らえられたが、おもにグルノーブルに閑居。終戦直後、1945年7月戦時の対敵協力などを処断するいわゆるペタン公判に証人として出廷した。
[西海太郎]