ルース(英語表記)Luce, Henry Robinson

デジタル大辞泉 「ルース」の意味・読み・例文・類語

ルース(Babe Ruth)

[1895~1948]米国のプロ野球選手本名ジョージハーマン=ルース(George Herman Ruth)。1935年に引退するまでの22年間に714本の本塁打記録。1927年には、1シーズン60本塁打の記録を樹立した。背番号3はニューヨークヤンキースの永久欠番。ベーブ=ルース。

ルース(loose)

《loose stoneから》研磨加工された宝石で、まだ指輪などの土台に留められていないもの。裸石。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルース」の意味・わかりやすい解説

ルース
Luce, Henry Robinson

[生]1898.4.3. 山東,蓬莱
[没]1967.2.28. アリゾナ,フェニックス
アメリカの出版人。アメリカのジャーナリズム史上屈指の有力者。雑誌『タイムTime,『フォーチュンFortune,『ライフ』 Lifeで出版帝国を築き上げた。長老派教会の宣教師一家に生まれ,10歳まで中国で過ごす。 10歳で中国北部のイギリス人寄宿舎学校に送られたのち,単身イギリスに渡り,さらに渡米してエール大学に学ぶ。大学では学生新聞を編集,抜群の成績で 1920年に卒業した。大学で知り合った B.ハドンと『タイム』を創刊,主としてハドンの発案によるいきいきとしたレイアウトときわめて個性的な文体,そして人に重点をおいた手法で注目を集め,創刊4年で黒字にした。 1930年ビジネス誌『フォーチュン』を創刊。 1936年には写真誌『ライフ』が誕生,たちまち雑誌史上有数の人気誌となる。ルースは 1929~64年までタイム社全誌の総編集長を務めたのち,会長職に転じた。大衆の啓蒙のために発刊した雑誌の数々は,多くの類似誌を生むところとなった。ニュース週刊誌の『タイム』は,ニュースをストーリー仕立てで報道。国際ニュースに重点をおいた理由は,アメリカの新聞・雑誌でこの点が無視されているとの持論からだった。誌面はジャンル別の各セクションから構成,読者に記事のテーマを意識させるスタイルを打ち出した。記事の完成度をより高めるための文献・資料の積極的活用,記者と編集者が共同で記事を作成する「グループ・ジャーナリズム」もルースの雑誌の特徴だった。そのほかの雑誌には 1952年創刊の『ハウス&ホーム』 HouseHome (のちにマグロウ・ヒル社に売却) ,1954年創刊のスポーツ週刊誌『スポーツ・イラストレーテッド』 Sports Illustratedなどがある。 1935年にアメリカ人脚本家の C.ブーズと結婚。夫妻とも政治的には強い保守派であり,共和党および国内政治に大きな影響を及ぼした。

ルース
Ruth, Babe

[生]1895.2.6. ボルティモア
[没]1948.8.16. ニューヨーク
アメリカのプロ野球選手。本名 George Herman Ruth。 L.ゲーリッグとともにニューヨーク・ヤンキーズの黄金時代を築き,「偉大な本塁打王」と呼ばれた。大リーグ 22シーズンを通じて 714本の本塁打を打ち,1927年には年間 60本を記録。本塁打王 12回獲得,終身打率3割4分2厘。ボストン・レッドソックス在籍中ワールドシリーズにおいて 29回3分の2イニング無失点という投手としての記録もある。 1934年アメリカ大リーグ選抜チームの中心として来日。 1936年最初の野球殿堂入りを果たした。

ルース
Luce, Clare Boothe

[生]1903.4.10. ニューヨーク
[没]1987.10.9. ワシントンD.C.
アメリカの女性劇作家。正規の学校教育は受けず,雑誌編集者などを経て,出版業者 H.ルースと結婚。アメリカの生活を風刺した『女たち』 The Women (1936) ,『子供たちにお別れのキス』 Kiss the Boys Goodbye (1938) をはじめ多くの戯曲がある。 1943~47年コネティカット州選出の共和党下院議員,1953~57年にはイタリア大使を務めた。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルース」の意味・わかりやすい解説

ルース
Babe Ruth
生没年:1895-1948

アメリカの大リーグ野球選手。本名はGeorge Herman Ruth。童顔のためベーブ(赤ん坊)と愛称された。ボルティモア(メリーランド州)に生まれる。貧しい環境で育ったが,少年期に野球に親しみ,非行化から免れた。1912年から,ペンシルベニアのセミプロチームで投手として働いていたが,14年大リーグのボストン・レッド・ソックスに認められ,入団して投手となる。打者としても,天才的な能力を発揮し,19年本塁打29本を放って話題となり,20年ニューヨーク・ヤンキースに当時としては破格の12万5000ドルでトレードされ,3番打者,外野手として活躍した。打席に立ったとき,本塁打の飛ぶ方向を指すのが評判になった。野球がアメリカの国民的ゲームとして人気を集めたのは,ルースの功績とされる。27年には,154試合を通じて本塁打60本の大記録を作り,ホームラン王となった。35年ボストン・ブレーブスを最後に引退したが,本塁打総数714は,74年にハンク・アーロンHenry(Hank)Louis Aaron(1934- )が破るまで,大リーグ記録として輝いた。本塁打王12回,打点2209,四球2056,打率3割4分2厘の記録を残した。引退後はベーブ・ルース財団を設立,恵まれぬ子どもたちへの福祉事業に打ち込んだ。34年全米選抜チームの選手として来日した。
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百科事典マイペディア 「ルース」の意味・わかりやすい解説

ルース

米国の野球選手。本名George Herman Ruth。童顔のためベーブBebe(赤ちゃん)の愛称で親しまれた。初め投手としてボストン・レッド・ソックスに属し,1915年アメリカン・リーグ最優秀投手。1920年ニューヨーク・ヤンキースに移り,右翼手,3番打者として活躍した。1927年,年間本塁打60本の記録を樹立。アメリカン・リーグ本塁打王12回,終身本塁打数714,終身打率3割4分2厘。1934年全米選抜チームとともに来日。1936年野球殿堂入り。引退後ベーブ・ルース財団を設立して福祉事業を行った。

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世界大百科事典(旧版)内のルースの言及

【オールスター・ゲーム】より

…1933年アメリカ大リーグで第1回のオールスター・ゲームが行われた。〈ベーブ・ルース(ヤンキース)がカール・ハッベル(ジャイアンツ)の球を打つような試合が見たい〉という一少年ファンのことばをヒントに,その年シカゴで行われた万国博覧会の催しとしてナショナル・リーグ対アメリカン・リーグの試合が実現した。当時を代表する好投手ハッベルはナ・リーグ,大打者ルースはア・リーグだったため,2人の対決はワールド・シリーズ以外では見ることができず,この試みは大成功だった。…

※「ルース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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