ルートウィヒ(Christa Ludwig)(読み)るーとうぃひ(英語表記)Christa Ludwig

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ルートウィヒ(Christa Ludwig)
るーとうぃひ
Christa Ludwig
(1928―2021)

ドイツのメゾ・ソプラノ歌手。ベルリン生まれ。両親とも声楽家という恵まれた環境で早くから音楽を学び、1946年フランクフルト歌劇場でデビュー。1954年にザルツブルク音楽祭に出演、翌年にはウィーン国立歌劇場と契約、ともにモーツァルトフィガロの結婚』のケルビーノ役で成功を収めた。以後R・シュトラウスばらの騎士』などでシュワルツコップと共演、またベーム、カラヤンらの指揮で多くのオペラに登場、名声を博した。1963年(昭和38)秋、ベルリン・ドイツ・オペラの日本公演で初来日。1990年(平成2)に再来日。彼女はとりわけ、モーツァルト、R・シュトラウス、ワーグナーの作品における役の的確な表現、深みのある美声で高く評価されていた。また歌曲にも意欲的に取り組み、シューベルト歌曲などの録音も行った。1994年ヨーロッパとアメリカへの歌曲演奏旅行をもって引退。以後マスタークラスを開催して教育活動に専念した。

[美山良夫]

『ウィーン国立歌劇場友の会編、香川檀訳『ウィーン・オペラの名歌手(1)』(1988・音楽之友社)』『ヘレナ・マテオプーロス著、岡田好恵訳『ブラヴォー/ディーヴァ――オペラ歌手20人が語るその芸術と人生』(2000・アルファベータ)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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