レイエス(Edgardo M. Reyes)(読み)れいえす(英語表記)Edgardo M. Reyes

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

レイエス(Edgardo M. Reyes)
れいえす
Edgardo M. Reyes
(1938― )

フィリピンにおける現代タガログ文学の代表的作家。タガログ語週刊誌『リワイワイ』の懸賞小説に入賞し、作家としての道を歩む。当初は大衆娯楽小説を多く手がける。1960年代後半、エフレン・アブエックら他のタガログ語作家らと「砂漠の水」グループを結成、以来、フィリピン一般民衆視座から民衆の直面する現実問題、貧困、社会の不公正、暴力などをリアリズム手法で追求し、パランカ賞をはじめ数多くの文学賞を受賞している。映画化された『マニラ――光る爪(つめ)』(1966)をはじめ、短編『無邪気』(1959)、『インテの村』(1964)など日本語訳がある。99年には『火遊び』(1987)の映画化、原作復刻がなされ、その文化的業績の再評価が進んでいる。

[山下美知子・菅家健一]

『寺見元恵訳『マニラ――光る爪』(『シリーズ・アジアの文学4』1981・めこん)』

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