日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
レビン(Phoebus Aaron Theodore Levene)
れびん
Phoebus Aaron Theodore Levene
(1869―1940)
アメリカの生化学者。ロシア生まれ。ペテルブルグのアレキサンダー・ボロジン化学研究所から1891年アメリカに渡る。1905年よりロックフェラー研究所員。核酸のヌクレオシドとヌクレオチドの単離に成功し、当時胸腺(きょうせん)核酸、酵母核酸といわれていた核酸に含まれる糖が、それぞれデオキシリボース、リボースであることを証明した。また核酸の基本構造は、プリンとピリミジンが糖‐リン酸エステル結合を介して結び付いた枝分れのない直鎖であることの証拠を提出した。1921年には、核酸のヌクレオチドを構成する4種類の塩基が当量ずつ存在するというテトラヌクレオチド仮説を提出し、その後核酸が高分子であることが知られるや、天然の核酸はテトラヌクレオチドの重合体であるという立場にたった。
[石館三枝子]
[参照項目] |
| | |