レーマン(Wilhelm Lehmann)(読み)れーまん(英語表記)Wilhelm Lehmann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

レーマン(Wilhelm Lehmann)
れーまん
Wilhelm Lehmann
(1882―1968)

ドイツの詩人ベネズエラに生まれ、ハンブルク郊外で育った。大学卒業後教師となり、主として北ドイツ各地で勤め、1947年退職するまで長くエッケンフェルデの高等中学校(ギムナジウム)正員教授。第一次世界大戦で捕虜生活を数年経験した。初め小説に向かい、1935年詩集『沈黙の答』で詩に転向。当時高名な自然叙情詩人レールケを師として自然の動植物リアリスティックに観察、北欧ゲルマンおよびギリシア神話伝説を交え異教的、汎神(はんしん)論的世界観を示す牧歌的な自然叙情詩を書いた。その詩はみがかれ、簡潔で美しい。初期の戦後派自然叙情詩人、のちに詩壇を代表するクローロKarl Krolow(1915―1999)などに影響を与えた。クライスト賞(1923)、レッシング賞(1953)、大功労十字勲章(1957)などを受賞。全集三巻(1962)がある。

[新保勝夫]

『神品芳夫訳『沈黙のこたえ』(『世界名詩集大成8』所収・1959・平凡社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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