ロアヨーテ諸島(読み)ロアヨーテショトウ(英語表記)Îles Loyauté

デジタル大辞泉 「ロアヨーテ諸島」の意味・読み・例文・類語

ロアヨーテ‐しょとう〔‐シヨタウ〕【ロアヨーテ諸島】

Îles Loyauté》⇒ロワイヨテ諸島

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロアヨーテ諸島」の意味・わかりやすい解説

ロアヨーテ諸島
ろあよーてしょとう
Îles Loyauté

太平洋南西部、ニュー・カレドニア島の東約100キロメートルに北西から南東に並ぶ島々。フランスの特別自治体であるニュー・カレドニアに属する。英語名ロイヤルティ諸島Loyalty Islands。北からウベアOuvea島(160平方キロメートル)、リフLifou島(1150平方キロメートル)、マレMare島(650平方キロメートル)の三大島がそれぞれ50キロメートルを隔てて位置し、その間にティガTiga島などの小島が加わる。総面積1981平方キロメートル、人口2万0877(1996)。ウベア島は低平な環礁で、作家森村桂(かつら)の『天国にいちばん近い島』の舞台となった保養地。リフ島、マレ島は火山性の島で、プロテスタントカトリックの激しい宣教競争の歴史をもち、大きな教会堂建築が目だつ。コプラココナッツ産出

[大島襄二]

住民

住民はメラネシア系人種に属するが、他のメラネシア人に比べて皮膚の色が薄い。これはポリネシアからの移住者との混血による。住民の言語はオーストロネシア語であるが、ウベア島を除いて、周辺部との言語的類縁関係はさほど明らかでない。ウベア島には、サモア諸島より移住したポリネシア人が居住し、ポリネシア語が使われている。かつては諸島全般で食人風習と部族間戦争がみられたが、キリスト教感化で消滅した。メラネシアにおける食人風習は、マナとよばれる超自然的存在に対する信仰に基づいており、戦争で殺した人間の肉を食して相手のもっているマナを獲得することが目的とされていた。ロアヨーテ諸島の文化は、南東部に位置するニュー・カレドニア島の影響が強い。現在、この諸島は特別の保護地区に指定され、伝統的な長老会議を中心とした自治制度が維持されている。

[秋道智彌]

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