ロイヤル-チトワン国立公園(読み)ロイヤルチトワンこくりつこうえん

世界遺産詳解 の解説

ロイヤルチトワンこくりつこうえん【ロイヤル-チトワン国立公園】

1984年に登録されたネパールの世界遺産(自然遺産)で、カトマンズの南西約160km、インドとの国境地帯のタライ平原と呼ばれる標高70~200mの亜熱帯気候の低湿地帯に位置する広大な公園で、園内にはジャングル草地、沼沢地が広がっている。もともと冬場は王室の狩猟地であったが、マラリア猛威をふるう地帯でもあった。その後、マラリア撲滅と農地化のための農薬散布によって蚊は激減したが、生態系も著しく乱れた。1973年に自然破壊を防止するため、国立公園に指定されてからは自然保護に力が注がれ、かつての豊かな生態系を取り戻しつつある。公園には、稀少種のインドサイのほか、ベンガルトラナマケグマヒョウ野牛ゾウなど多くの野生動物が生息し、野鳥の種類は500種以上にのぼるなど、ヒマラヤ山脈の麓に広がる野生動物の楽園として評価され、世界遺産に登録された。◇英名はRoyal Chitwan National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android