ロカビリー

精選版 日本国語大辞典 「ロカビリー」の意味・読み・例文・類語

ロカビリー

〘名〙 (rockabilly) 一九五〇年代、ロックンロールヒルビリーアメリカ中西部の山岳地帯に発達した民謡調歌曲)双方要素が融合して発生流行したポピュラー音楽。当時日本でも大流行した。
※傷はまだ癒えていない(1958)〈中野好夫〉狐につままれたような再生東京から楽団が来てロカビリーの演奏がやがてはじまるからだという」

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デジタル大辞泉 「ロカビリー」の意味・読み・例文・類語

ロカビリー(rockabilly)

ロックンロールと米国南東部の民謡ヒルビリーとが融合して生まれたポピュラー音楽。1950年代後半に流行。

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百科事典マイペディア 「ロカビリー」の意味・わかりやすい解説

ロカビリー

1950年代米国南部で発生したロックスタイル。ヒルビリー(アメリカ田舎の白人音楽。カントリー・ミュージック)色の強いロックンロールであり,初期のエルビス・プレスリーなどのスタイルを指す。日本では1955年ころからブームとなり,〈日劇ウェスタン・カーニバル〉というロカビリー専門の定期コンサートが開催され,山下敬二郎,ミッキー・カーチス,平尾昌晃の3大スターが活躍,若い女性の熱狂的な支持を受けた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロカビリー」の意味・わかりやすい解説

ロカビリー
ろかびりー
rock-a-billy

ロックン・ロールとヒルビリー(カントリー音楽別称)の合成語。カントリー界出身者エルビス・プレスリーの初期(1950年代中期)のカントリー感覚のあるスタイルに始まるとされ、ジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewis(1935―2022)、カール・パーキンスCarl Perkins(1932―1998)、リッキー・ネルソンRicky Nelson(1940―1985)らの活動で大流行。日本では1958年(昭和33)の東京・日本劇場における「ウェスタン・カーニバル」が若者の人気をよんでブームとなった。

[青木 啓]

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世界大百科事典(旧版)内のロカビリーの言及

【ジャズ】より

…50年代半ばには,白人のカントリー・ミュージックと黒人のリズム・アンド・ブルースが合成されてロックンロールrock’n rollが生まれる。さらにカントリー歌手エルビス・プレスリーが,よりカントリーの要素を強めてロカビリーrockabilly(rockとhill‐billyの合成語。ヒルビリーはカントリー・ミュージックないしその泥臭いものをいう)をつくり出し,黒人世界よりもはるかに広い聴衆を獲得することになる。…

【ヒルビリー】より

…元来この言葉は南東部山岳地帯などの出身者に対する蔑称だったが,1925年にレコード業界で彼らの音楽を指すために使われ始め,第2次世界大戦が終わるころまで使用された。なお50年代になって,アメリカ南部のカントリー的なロックンロールが,ヒルビリーと合成したロカビリーrockabillyの語で呼ばれ,エルビス・プレスリーらによってヒットした。カントリー・ミュージック【中村 とうよう】。…

【ロック】より

… こうして生まれてきた新しい音楽を〈ロック・アンド・ロール〉と呼びはじめたのは,ラジオのディスク・ジョッキーをしていたアラン・フリードAlan Freedだとされている(彼自身も《暴力教室》に出演した)。また,プレスリーや彼に続いて現れた《ブルー・スウェード・シューズBlue Suede Shoes》のカール・パーキンズCarl Perkins(1932‐ ),《ホール・ロッタ・シェーキン・ゴーイング・オンWhole Lotta Shakin’ Going On》のジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewis(1935‐ )などがいずれも南部のカントリー音楽の要素を強くもっていたことから,彼らの音楽をロックとヒルビリーhillbillyの合成語で〈ロカビリーrockabilly〉と呼び,《アイル・ビー・ホームI’ll Be Home》のパット・ブーンPat Boone(1934‐ )や《ダイアナDiana》のポール・アンカPaul Anka(1941‐ )のようにポピュラー・ソングに近い感覚を示した歌手たちの音楽を,ロックとバラードの合成語で〈ロカバラードrock‐a‐ballad〉と呼ぶようになった。こうしてさまざまの派生語を生みだしつつ多様化していったため,1960年代になると,それらの全体を呼ぶ言葉がロック,1950年代中葉の初期のロックを指す言葉がロックンロール,と使い分けるのが一般的となった。…

※「ロカビリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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