ロクスビー鉱(読み)ろくすびーこう(英語表記)roxbyite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロクスビー鉱」の意味・わかりやすい解説

ロクスビー鉱
ろくすびーこう
roxbyite

Cu1+(一価銅)とCu2+(二価銅)の両方を含む輝銅鉱類似の銅硫化物。輝銅鉱群鉱物の一つ。自形未報告。顕微鏡的な直線的輪郭の見えることはあるが未記載。深熱水性銅鉱床や斑岩(はんがん)銅鉱鉱床で、初生のデュルレ鉱の分解物として生成される。日本では新潟県東蒲原(ひがしかんばら)郡三川(みかわ)村(現、阿賀(あが)町)三川鉱山閉山)から産した。

 共存鉱物は、デュルレ鉱、斑銅鉱黄鉄鉱黄銅鉱赤鉄鉱など。ほかの銅過剰の硫化銅鉱物とは肉眼的には識別できない。命名は原産地南オーストラリア、ロクスビー・ダウンズRoxby Downsによる。

加藤 昭 2018年12月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android