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ロシア経済動向 ろしあけいざいどうこう

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知恵蔵の解説

ロシア経済動向

1998年8月の金融危機を奇貨とし、また国際的なエネルギー価格の高騰によりロシア経済は回復に向かった。2002年から04年にかけて、経済構造に一定の安定が生まれており、一部の先進的な企業は欧米諸国のルールに適応すべく努力している。03年のGDP成長率は7.3%、04年は7.1%と良好だった。貿易黒字が増大したのは、高いエネルギー国際価格ゆえで、これがロシア経済の追い風となった。また、鉄鋼、非鉄金属石油化学製品など有力輸出商品の国際価格も高価格で、財政黒字が増加し通貨が安定した。外貨準備高は07年には独立以来最高の約4000億ドルを超えた。ルーブルの安定化、外貨準備高の増大といった基本目標は達成されたが、インフレは進行している。06年には保険、教育、住宅、農業の国家プロジェクトが発足し、対外債務前倒しで返済している。ロシア経済のマイナス要因としては、外貨収入の約6割をエネルギー輸出に頼り、国庫収入もエネルギーの国際価格に大きく左右されることだ。腐敗、汚職が蔓延して、健全な市場経済システムは機能していない。また生産設備の老朽化がひどく、設備投資不十分なため、近い将来、鉱工業生産が激減する可能性もある。投資環境が悪いために、資金が生産投資に回っていない。金融、法制などの構造改革は、まだ十分には進んでいない。国家や銀行などの信用はなく、一部の土地私有化や売買も認められたが、土地はまだ集団所有が主流である。個人農はここ数年ほとんど増えていない。ユコス社解体、社長のホドルコフスキーが逮捕され、05年5月には実刑判決が下されたが、新興財閥への政権の攻撃は企業家や投資家に不安を与え、資本流出が一挙に増えた。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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