ロジャーズ(Carl Ransom Rogers)(読み)ろじゃーず(英語表記)Carl Ransom Rogers

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロジャーズ(Carl Ransom Rogers)
ろじゃーず
Carl Ransom Rogers
(1902―1987)

アメリカの心理学者。イリノイ州オーク・パークに生まれる。ウィスコンシン大学農学、史学専攻。その後2年間ユニオン神学校で過ごし、さらにコロンビア大学教育大学大学院で教育および臨床心理学を学ぶ。1931年学位取得。ニューヨーク州ロチェスター児童虐待防止協会の役職を務めるかたわら多くの臨床経験をもつ。1945年オハイオ州立大学臨床心理学教授となり、同年カウンセリングセンター創設のためシカゴ大学移籍。1957年ウィスコンシン大学名誉教授となる。彼の業績は、来談者中心療法として知られ、さらに自己の構造・機能に関する研究を通して自己実現の原理を構築した。代表的著作には、『カウンセリングと心理療法Counseling and Psychotherapy(1942)、『来談者中心療法』Client-centered therapy(1951)、『エンカウンター・グループCarl Rogers on encounter groups(1970)などがある。

木村 裕]

『畠瀬稔他訳『エンカウンター・グループ――人間信頼の原点を求めて』(1973・ダイヤモンド社/1982/新版・2007・創元社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android