ロダーリ(読み)ろだーり(英語表記)Gianni Rodari

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロダーリ」の意味・わかりやすい解説

ロダーリ
ろだーり
Gianni Rodari
(1920―1980)

現代イタリア児童文学を代表する作家。貧しいパン屋の息子として生まれ、小学校の教師などをしながら児童文学に関心をもち、戦後ジャーナリストとして活躍しながら児童文学の創作を始めた。初期の代表作『チポリーノの冒険』(1951)は、野菜や果物を主たる登場人物とする空想物語だが、そこには、ジャーナリストとしての目と、強い階級的視点がみられる。一方、詩人でもあるロダーリは、子供のための詩、ことにナンセンス詩も数多くつくっている。『まちがいだらけの本』(1964)はそうした詩集の一冊である。エッセイ集『ファンタジー文法』もある。

安藤美紀夫・山脇あさ子]

『杉浦明平訳『チポリーノの冒険』(岩波少年文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロダーリ」の意味・わかりやすい解説

ロダーリ
Rodari, Gianni

[生]1920.10.23. オメーニャ
[没]1980.4.14. ローマ
イタリアの児童文学者。小学校の教員をしているうちに,偶然手がけた児童向けの創作によって才能を見出された。教訓と詩情,伝統と新しさ,特異な発想ユーモアに富む作品は,道徳的感傷主義を排し児童文学に新風を吹込んだ。代表作『チポリーノの冒険』 Le avventure di Cipollino (1950) ,『空のケーキ』 La torta in cielo (66) ,『もの言う馬の話』 Le filastrocche del cavallo parlante (70) など。

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