日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ローゼンベルク(Arthur Rosenberg)
ろーぜんべるく
Arthur Rosenberg
(1889―1943)
ドイツの歴史家、政治家。ベルリン大学で古代史と考古学を学び、学位取得後同大学の私講師となる。1918年11月ドイツ革命が勃発(ぼっぱつ)すると、独立社会民主党に入り、1920年その分裂とともに共産党に移った。1920~1924年ベルリン市会議員、1924~1928年国会議員。この間さらにドイツ共産党中央部、コミンテルン執行委員会で活躍した。1927年モスクワ従属路線を拒否して共産党から除名され、以後学究生活に戻り、1930年ベルリン大学古代史教授となるが、1933年ヒトラー政権が成立するとイギリスに亡命し、1938年アメリカに渡り、ブルックリン大学で教鞭(きょうべん)をとった。古代史家としてよりも現代史家として知られ、『ワイマール共和国成立史』(1928)は古典的名著とされている。
[吉田輝夫]
『ローゼンベルク著、吉田輝夫訳『ヴァイマル共和国史』(1964・思想社)』▽『ローゼンベルク著、足利末男訳『ヴァイマル共和国成立史』(1969・みすず書房)』