ローソン条件(読み)ローソンジョウケン(英語表記)Lawson criterion

デジタル大辞泉 「ローソン条件」の意味・読み・例文・類語

ローソン‐じょうけん〔‐デウケン〕【ローソン条件】

Lawson criterion重水素三重水素による核融合に必要なプラズマに対する三つ条件。1億度の超高温を、1立方センチメートルあたり100兆個の超高密度で、1秒間維持すること。→臨界プラズマ条件

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ローソン条件」の意味・わかりやすい解説

ローソン条件
ローソンじょうけん
Lawson criterion

核融合炉が成り立つための最も重要な条件で,核融合反応で発生するエネルギーが,電気エネルギーへの変換効率やプラズマの加熱効率を考えたうえで,これらのエネルギー損失を上回り,収支がゼロより大きくなる条件をいう。核融合反応が起こるためには,炉心プラズマは高温でなければならず,時間がたつと熱が逃げてしまう。また,電子とイオン衝突による放射としても熱エネルギーはプラズマから失われていく。重水素,三重水素による核融合炉の場合,炉心プラズマの数密度と閉じ込め時間 (単位は秒) の積が 1020 以上であることが要求される。数密度とは単位は 1m3あたりのプラズマ粒子の個数である。 1957年に J.D.ローソンにより提唱された。

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